TOP » 学会賞 » 

学会賞

学会賞巻頭言

日本臨床麻酔学会賞について

小坂基金運営企画委員会委員長
川真田樹人(信州大学医学部麻酔蘇生学)

日本臨床麻酔学会には,臨床麻酔学の発展のための学会賞として,(1)小坂二度見記念賞,(2)若手奨励賞,(3)日本臨床麻酔学会誌賞があります.昨年度は東京女子医科大学の樋口秀行氏が「妊娠子宮による下大静脈圧迫に関する研究」で小坂二度見記念賞を受賞されました.新潟大学(現関西医科大学)の吉田敬之氏が「新しい超音波ガイド下閉鎖神経ブロック近位法の臨床評価と解剖学的検討」で若手奨励賞を受賞されました.そして,長崎大学の荒木 寛氏の「声門マーカーを指標とした気管チューブ固定の問題点」と,神戸大学の髙岡悠子氏の「胸腔鏡下食道切除術時の術中体位が術後患者状態に与える影響に関する後ろ向き観察研究」の2編が日本臨床麻酔学会誌賞を受賞されました.

小坂二度見記念賞は20年以上の歴史を持ち,臨床麻酔分野で最高の賞で,前年12月までの過去5年間に刊行された,最も優秀な一連の複数の論文業績をあげた方に授与されます.また若手奨励賞は,前年12月までの過去2年間に刊行された一編もしくは一連の複数論文業績をあげた,満35歳以下の第一著者に授与されます.そして日本臨床麻酔学会誌賞は,前年12月までの過去2年間で最も優秀な日本臨床麻酔学会誌掲載論文の著者若干名に授与されます.これらの日本臨床麻酔学会賞の詳細については学会のホームページを参照ください.

臨床麻酔学の発展のためには,リサーチマインドを持った麻酔科医の育成が不可欠です.若い麻酔科医は日本臨床麻酔学会誌賞を目指して,まずは日本臨床麻酔学会誌に投稿していただきたいと願います.そして将来,研究テーマを見つけてその成果を英語論文として作成し,若手奨励賞に応募して欲しいと願います.さらに研鑽を積んだ後にはライフワークを見つけ,その成果をもとに小坂二度見記念賞に応募いただきたいと思います.

臨床研究の目的は,臨床医学を発展させ医療を向上させ患者さんへ還元することで,学会賞を受賞するのはあくまで付随的な成果といえます.しかし努力した医師が学会賞を受賞することは,学会員がその努力に賞賛の意を表明することです.そして努力が必ず報われることが示され,同僚や後輩の若手医師の活性化につながります.日本臨床麻酔学会賞により,このような若い麻酔科医の活性化の正の連鎖が続き,臨床麻酔の研究が発展し,日本から世界への発信力が増すことを祈念しております.

多くの方からの日本臨床麻酔学会賞への応募をお待ちしています.